美瑛小麦のひと / JAびえい 代表理事組合長 熊谷 留夫さん
美瑛小麦をつくる人 / JAびえい 代表理事組合長 熊谷 留夫さん
美瑛町の小麦づくりの歴史は、私が子どもの頃にはもう作付けしていましたから、60年以上になると思います。その頃はすべてが手作業でたくさんは作ることができませんでした。1973年には秋蒔き小麦の他に春蒔き小麦とビール麦も耕作されましたが、当時は261ha程度だったようです。その後、大型コンバインが導入され小麦の品種改良も進み、現在では3300haとなっています。美瑛小麦としての大きな転機は、2007年です。それまで国産小麦は政府買入品目ということで、直接製粉会社に売ることができませんでした。ですが、その年の法改正により変更され、小麦粉を使う人にとって良いものを育てていれば、産地を指定してもらえるようになったのです。
美瑛小麦は、内陸の良い気候条件と生産者の努力により高品質の小麦を生産していたことから、小麦粉を使うみなさんからの評価も高く、たくさんの量を求められるようになりました。ですが当時は、高たんぱくの小麦は品質ランクが低くなってしまうため、値段が安く評価されてしまう制度でした。「どうして評価される良いものを作っているのに、生産者にとって悪い制度があるのか」と疑問を持ち、関係するみなさんのご協力もあり、制度を変えることにつながっていきました。
美瑛の小麦は、使ってくれる人を想いながら、品種をよく理解し、安定した生産をしております。私も生産者のひとりとして、小麦は追肥の使う時期や量、土づくりから細かな気配りが必要な作物だと感じます。私たち農協は、生産者の努力により生産していただいた農産物を高く売ることでお返ししなければなりません。この「美瑛小麦」の取り組みも、その一環です。
美瑛にとって小麦は景観面でも大切な作物です。パッチワークの丘のなかで、金色の畑は小麦です。美しい風景とともに、小麦のおいしさも楽しんでください。
JAびえい
北海道上川郡美瑛町中町2-6-32
https://ja-biei.or.jp/
美瑛選果
北海道上川郡美瑛町大町2丁目
https://bieisenka.jp/