美瑛小麦について

1971年に写真家の故 前田真三氏が美瑛を訪れ、
その6年後に代表作「麦秋鮮烈」を発表されました。

それ以来「丘のまち びえい」として、
この美しい景観は、本当に多くの人を魅了してきました。

「パッチワーク」に例えられる風景と農業は、
実は密接に関係しています。

北海道の農業では、馬鈴薯・豆・ビート・小麦の4つの作物を、毎年同じ畑では作りません。
これを四輪作といって、畑の健康と良い生育を保つために必要な取り組みです。
毎年同じ畑に同じ作物を植えないということは、
「パッチワーク」の絵柄が毎年変わるということ。
2度と同じ風景はない。と言っても過言ではありません。

そして、その風景を見るために観光のお客様がいらっしゃる。
風景の礎となっている農業から生まれた美味しさを、味わっていただく。

農産物の価値を高めていくことは、美瑛農業を守ることにつながり、
そしてそれは、風景を守ることになります。

このように美瑛小麦は、
わたしたちにとって大切な存在です。

品種・特長

秋蒔き小麦

9月中旬に播種を始め、下旬に出芽、その後 10月中旬~11月上旬にかけ雪腐れ防除を行います。
冬の寒さ、雪の重みを利用し(ハードニング)、より強い小麦へと成長させます。
越冬後、4月下旬より起生期を迎えます。この間は除草などの環境整備期間。
5月中旬に幼形期を迎え、各種病害虫防除期間が始まり、7月下旬に収穫します。

秋蒔き小麦 年間スケジュール

9月 播種時期

天候・気温により、播種量・播種時期が異なります。
このタイミングが収穫の結果を左右します。

翌6月〜期間

防除(穂が出始めてからの1週間おきの防除)。粒に悪影響を及ぼす虫害やカビの発生を抑制する効果があります。平均して4回実施しています。

きたほなみ

麦穂アイコン きたほなみ
特長

ホクシンの後継品種。ゆでうどんの色がきれいで評価は「※ASW」に近いです。うどんの食感も「ホクシン」並みに高い評価で道産小麦の良い点を併せ持っています。北海道の秋蒔き小麦の作付け面積の約90%を占めます。

※ASW(オーストラリア・スタンダード・ホワイト)讃岐うどんなどに使用される日本向けの小麦粉。

用途
【パンにすると】

強力粉や超強力粉とブレンドすると、軽さや柔らかさが出て重宝します。焼き上がりのクラスト(皮)はパリッと仕上がります。

【味・食感など】

味は淡白で、パンの他にはケーキやクッキーなどのお菓子にも向いています。

ゆめちから

麦穂アイコン ゆめちから
特長

タンパク質含量が高く、質が強いという特長を持ちます。単独使用のほか、中力粉とブレンドすることで優れた製パン性を示します。外国産小麦にひけをとらない膨らみに仕上がります。

用途
【パンにすると】

「ゆめちから」のパンは老化が遅く、固くなりづらいです。

【味・食感など】

風味は薄く、食感は強い弾力があります。

春蒔き小麦

4月中旬にかけ播種、その後6月下旬が出穂期。
基幹防除を開け8月上旬に収穫期を迎えます。

春蒔き小麦 年間スケジュール

4月 播種時期

天候・気温により、播種量・播種時期が異なります。
このタイミングが収穫の結果を左右します。

秋蒔き小麦とは異なり、茎が軟弱な特長を持っている為、茎をのばさない成長調整剤の投与が必須です(6月頃)。これを怠った場合、倒伏による品質劣化が発生します。

春よ恋

麦穂アイコン 春よ恋
特長

ボリューム感のある食パンを焼きたいという方には、この小麦粉をお勧めします。「はるゆたか」の後継種と謳うだけあり、味や香りも良く、美味しいパンが焼きあがります。

用途
【パンにすると】

タンパク質が多いのでグルテンが強く、吸水性に優れ、 ふっくらとしたボリュームのあるパンに仕上がります。 菓子パンから食パン、ハード系まで幅広く使える小麦です。

【味・食感など】

しっとりして、モチモチとした食感です。

美瑛小麦の良いところ

パン作りには、タンパク質の質が良く、
含有量が多い小麦粉を使用するのが良いとされます。
高タンパクの小麦粉はグルテンの網目構造が
十分に形成されやすく、それにより、
弾力性・伸展性・粘性が適度にある、
良いパン生地づくりを可能にします。
良いパン生地は発酵によるガスをしっかりと包み込み、
味・風味・見た目に優れたパンを作ることができます。

北海道産小麦で作られたパン
北海道産小麦
美瑛産小麦で作られたパン
美瑛小麦

美瑛町では、高タンパクの3品種の小麦を
安定して生産しています。

きたほなみ
ゆめちから
春よ恋

美瑛小麦をつかうみなさんから

美瑛選果 小麦工房

高タンパクなゆめちからは他のきたほなみ等の小麦粉とブレンドすることで製パン上扱いやすい生地となり、焼き上がりもふっくら・モチモチした美味しいパンに仕上がります。

ベーカリー&カフェ 美瑛

パン職人にとって、ひきが強く、弾力のある美瑛小麦は、扱いは難しいものの、美味しいと喜ぶお客さまの笑顔をみると、職人として特別な小麦を使用している喜びを感じさせてくれます。

支那そばや

美瑛小麦「春よ恋」は、香り旨味が最高です。麺にすることで、適度なコシも合わさって支那そばやのスープとの相性は抜群です!!出会いに感謝です。

ひげのぱん屋

美瑛小麦の「香麦」には物以上に大切な、美しい風景に宿る「物語性」の「価値」を感じます。穏やかな食感と旨味はとても好きです!

うどん 太三郎

美瑛の広大な土地で育った小麦ならではのコシが自慢です!相性抜群の美瑛小麦100%との出会いがあっての太三郎です。

映像

美瑛小麦の映像は、美瑛町在住の写真家・映像作家の
菊地晴夫さんに制作いただきました。

「美瑛小麦物語」

「美瑛小麦そよぐ丘」

「これが美瑛小麦の刈り取りだ!!」

菊地晴夫

写真家・映像作家

1995年 東京から美瑛町に移住、「北西の丘」展望公園前に菊地晴夫写真ギャラリーを開設。2003年 HD-CAMなどのハイビジョンカメラによるビデオ撮影を開始し、現在はスティル撮影の他にドローン空撮や4K、8K映像によるデジタルコンテンツ制作を行っている。NHK 「HOKKAIDO IN FOCUS」〜写真家が見つめる北海道〜に出演、NHK BSハイビジョン特集などをはじめ、様々なメディアに写真や映像提供を行っている。写真展「日本で最も美しい大地ー美瑛 丘のある風景」を、富士フイルムフォトサロン 東京、大阪、札幌、福岡、名古屋で開催。他、地元美瑛町や山形でも開催。2018年には中国・上海で、写真展「美瑛四季」を開催している。