美瑛小麦のひと / 江別製粉株式会社 安孫子 俊之さん
美瑛小麦のひと / 江別製粉株式会社 代表取締役社長 安孫子 俊之さん
1948年5月に製粉工場を稼働させてから小麦粉づくりに携わっています。1990年代には、自社の活路を「北海道産小麦」に見出し、生産者、地域の農協、そしてお店の皆さんとの関係性を意識しながら経営してきました。2004年にはF-shipと呼んでいる小ロットオーダーメイド小麦粉生産システムを新設。「地域限定小麦粉」や「生産者限定小麦粉」も作ることができるようになり、それまではどこに、どう使われているのかわ からなかった小麦生産者にとっても、地域にとっても、いい影響のある取り組みが多く誕生しました。美瑛 町のご当地グルメ、カレーうどん用の小麦粉も最初はF-shipを使って作りました。
大きな転換期は、2007年の法律改正によって、国産小麦が政府買入ではなく全量民間流通となったことです。政府を経由するのではなく、作り手と買い手が直接売買契約を結ぶことになり、品種や産地や生産者、そして用途に対するこだわりの小麦粉の時代がやってきたのです。
正直に言うと、30年前は国産小麦全般的に評価が低く、北海道産でも使いにくかったり、品質が安定しないなど問題も多くありました。ですが、「粉を変えると味や食感が変わること」の認知度が高まるにつれ、「自 分の求める理想の小麦粉」を求める使い手の声も増え、私たち製粉会社も生産者もそこに応えていく形で成長してきたと思います。
美瑛町は、まちとしてのビジョンを掲げ、使い手の用途を考えた、マーケットインの発想で高品質な小麦を安定的 に生産してきた町です。そして「景観」と「観光」が小麦に大きく結びついていて、たくさんの人に知られています。その結びつきの中で、実は、私たちもこの町に製粉工場を計画しています。小麦のつくり手と使い手をつなぐ役目も担いながら、美瑛小麦を世界に発信していける場づくりを楽しみにしてください。
江別製粉株式会社
〒067-0003
北海道江別市緑町東3丁目91番地
http://haruyutaka.com/