美瑛小麦のひと/JAびえい 麦作部会長 佐藤 俊光さん
美瑛小麦のひと JAびえい 麦作部会長 佐藤 俊光さん
19歳で家業であった農業の世界に入り 、 35年目になりました 。 昔は「ホロシリ小麦」や「チホク小麦」「春ユタカ」といった品種を生産していましたが、今では品種改良が進み、作りやすく品質も良い、秋蒔き小麦「ゆめちから」と 春蒔き小麦「春よ恋」を生産しています。使う機械も新しくなっていき、作業効率も上がっています。
今「作りやすい」と言いましたが、いつも変わらないのは自然相手の仕事ということです。簡単だということでは、ありません。小麦づくりには4月と7月に大切な時期がありましてね。まず秋蒔き小麦であれば雪解けを越え、緑の芽を復活させる時期、春蒔き小麦であれば芽を出す4月。そして“止め葉”と呼ぶ、穂が出る前の最後の葉が出て、穂があめ色になるのを待ってから行う収穫の7月。その時期に雨が多すぎたり、夜の温度が下がりきらなかったり、天候次第では、タイミングを逃してしまわないよう夜通し頑張らなくてはいけません。
私は、2年以上の連作はしないよう、小麦→ビート→馬鈴薯→大豆→スイートコーンという順番で輪作していま す。刈りとった後の畑にたい肥を蒔いたり、雑草管理の際にカルシウム剤を混ぜたり。そんなことも独自の考えに基づいて実践してきました。見た目がきれいで粒も揃っている、そして最後に水分を残さない適期に収穫する。そんな良い小麦づくりを目指して取り組んでいますが、昔とは畑の様子も違いますし、温暖化が進み、種を蒔く時期は同じですが、収穫適期は4~5日ほど早まっていることを考えても、環境の変化は心配です。
美瑛小麦は町内外から品質面の評価をいただいているようです。そんな声を聞くと、農家の自分も頑張っているけど、使ってくれる人もたくさんの工夫を重ねて美味しいものを作ってくれているんだなと、うれしくなりますね。美瑛小麦として、自信を持って前に進んでいき「北海道の小麦はいい」ではなく「北海道美瑛町の小麦はいい」と思ってもらえるように、頑張っていこうと考えています。
美瑛町農業協同組合 / JAびえい
〒071-0298 北海道上川郡美瑛町中町2丁目6番32号
ja-biei.or.jp